東中野の片隅で

都内の大学院経営学研究科(夜間)に進学した社会人の備忘録です。授業の内容とその時感じた事を忘れないようにするのが目的。

ロジカルシンキングって何?

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今回は大学院で最も面白かった講義について書きます。講義概要はざっくりと「ロジカルにビジネスを考えよう」みたいな感じです。

講義の内容って著作権あるのか?ブログに書いて良いのか?というところがよく分からないので、教えてもらったことを自分の中で消化して、自分の考えとして書こうと思います。たぶんそれならオッケーなはず。

就活性や新入社員、あるいはルーチンワークが多くて思考停止しそうな人にとって興味深い内容にしたいと思います。

なぜロジカルシンキングなのか?

なぜ自分がこの講義に興味を持ったのか?

それは自分が「こういうこと」を 学ぶために大学院に通ってるからだ。

人を説得する時、自分の思い通りに動かしたい時、3つの事が有効であると思っている。

「数字」か「共感」か「論理」だ。

「数字」は「実績」とも意味合いが近いので、一旦置いておく。これに無敵の説得力があるのは、言わずもがな。

「共感」は自分の苦手分野。ビジネスの、特に社内政治において、「共感」(=可愛げ)みたいなのはめちゃくちゃ有効。特に賢くもないのに昇進しちゃう人が、あなたの会社にもいるのではないか。きっとその人は「共感」を呼ぶのが上手い人か、ラッキーで数字をあげちゃったか、ラッキーな外的要因か、どれかだと思う。

個人的にはココを自分のストロングポイントにするのは違う。今さら私は可愛くなれない。ココを突き詰めるなら、心理学を学ぶべきだ。

最後は「論理」。コイツを自分はもっと向上させたい。論理が破綻していない人の話は、少なくとも傾聴に値する。そして論理的思考が出来る人は、「成功」に必然性を感じさせることが出来る。「論理」と「数値(実績)」の組み合わせは、自分の価値を上げる、もっとも手っ取り早い方法だ。

だから自分は「ロジカルシンキング」について考えたいと思った。

どんな講義?

経営学修士課程で勉強すると、「フレームワーク」をよく勉強する。SWOT分析とか、4P分析とか、バリューチェーンとか、ビジネスモデルキャンバスとか、定番のところだとそういうやつ。

この辺のフレームワークを、「どこでどう使うか?」というのがこの講義の主題のひとつ。

ビジネスを「一つの家を建てること」と例えるならば、SWOT分析はトンカチで、4P分析は釘で、とした場合、それぞれは「どの工程で活用するものなのか」を考えるということ。工具だけもらっても、どこで使うか分からなかったら意味ないよね、みたいなこと。

これらの工具は、結局工具でしかないわけで、実際に工具の使い方を考えるのは人。

 

ロジカルシンキングの役割

さて、ロジカルシンキングについて考えてみる。

教授が言っていた面白いこと。「ロジカルに考えるのが苦手な人は、ずっと上手くならない」。あぁ、こういうことをハッキリと言う人は好きだ。

「誰でも頑張ればどうにかなる」みたいなのは好きじゃない。学んでも、出来るようになる人と、出来ない人は必ずいる。だから「出来ない人」の側に落っこちないように、ロジカルシンキングという構造そのものをよく考えて消化しないといけない。

まず、ロジカルシンキングの役割。

ロジカルシンキングとは、「ロジカルに考えること」なわけだけど、それをどうやって使うか、という話が重要。

ロジカルシンキングは、ビジネスにおいては自分の考えを人に伝えるために使用する事が多い。その段階は3つある。


【人に考えを伝える3つのプロセス】

①自分の思考を纏める(課題を分析し、解決までのプロセスを作る)

②纏めた思考を資料や文字に落とす

③それを人にプレゼンする

 

ロジカルシンキングは、①の段階を担っている。しかし、重要なのは①で考えた形を③まで100%の形で伝えること。80%になってもいけないし、120%でもいけない。

自分の考えをぴったり100%で伝えることが最強のロジカルシンキングとはセットであると言っていいと思う。

ロジカルシンキングは、①のレベルを上げること・精度を上げることに役立つ。しかし、それだけだとはっきり言って意味がない。このことに自分は気付けなかった。ロジカルであることが正義だと思い込んでしまっていた節があって、それを③まで正確に伝えてこそ価値を発揮するのだと知った。

 

例えば事業計画を作る時もそう、仕様書を書く時もそう、デザイナーにデザインを発注する時だってそうだろう。①がいくら立派でも、②③が不十分であれば、その人はビジネス上はロジカルではないことになり得るし、狙い通りに事を運ぶこともできないだろう。

つまり、伝えることまでがセットでロジカルシンキング。ということなんだろうと思う。

 

ロジカルシンキングの精度を上げる方法

ロジカルシンキングの精度を上げる、その唯一の方法は「疑うこと」。

なぜ?を突き詰めること。

「この考えは合ってるかな?」と疑うのではなく、「この考えは間違っているのではないか?」と疑う方が良い。これが精度を上げる唯一の方法。

結局、「ロジカルであること」というのは、「それらしい考え方をしてること」以上の存在にはなり得ないと思う。

しかし、それは自分自身の納得感と相手の納得感の架け橋にもなり得る。ビジネスが人を相手にするものである以上、お互いに納得感を持って事を運ぶのは本当に大切。

また、課題の本質を見極める上でもロジカルシンキングは役に立つ。

 

例えば、自分の部下の田嶋君がAというサービス(あるいはソリューション)を考え付いた。

それを提案された時に、必ずなぜを繰り返して聞いてみる。

 

Aというサービスを考え付いた

なぜ

Bの人に約に立ちそうだから

なぜ

Cに課題を抱えてるから

 

この時に、Cの課題に対するAのサービスは適切なのか、コスト/時間的に他のサービスはあり得ないのか?を疑う。さらに言えば、Cの課題は切実なものか、放置できるレベルの課題なのかを疑う。

そのように思考を深めた時に、Aが最善でないケースは往々にしてあり得る。というか、大体の場合は最善ではない。代替案としてDもEもFもあり得る。課題の設定そのものがイケてない場合もある。

田嶋君が考えるべき順番は間違っていて、Cから出発するべきであって、Aから出発してはいけない。Aから出発した時点で、それはロジカルではなく、こじつけに成り下がる。

田嶋君だけでなく、多くの人が、Aを「自分の出来ること」や「やりたいこと」から考えてしまっている場合がある。ビジネスの基本が「誰かからお金をもらうこと」である以上、Cから考えていない時点でビジネスとしてのロジックは破綻していると言っていい。

これを他人のアイディアだけじゃなくて、もちろん自分でも実行する。なぜ?を繰り返した末のロジカルなアイディアは、論破される確率が低くなるし、問題の本質に近づいている可能性も高い。 

 

一旦今回はここまで!書きたいことの半分も書けてないので、ロジカルシンキングについては何回か書きますー。

 

※例として田嶋君を挙げたのは、ハリルホジッチ監督解任騒動の一件で、JFAの田嶋会長が全くロジカルじゃない考えをしていたので、ちょうどいいと思って名前を使わせてもらいました〜